防爆指令(ATEX/IECEx)

上記の認証を取得することによって、世界の市場にアクセスすることができますが、多くの地域ではローカルな要件も存在します。JTLは、お客様の製品のためにグローバルな認証ソリューションを提供することができる機関です。グローバル市場へのアクセスは専門分野であると同時に、認証要件のエキスパートです。世界中で広く評価され、認知されているブランド認証機関を選択して頂き、グローバル市場へのアクセスを効率化して行きます。

JTLはお客様の便宜を考えて、最近当社のオンラインサービスにて証明書検索と履歴確認が可能です。このデータベースを使用すると、お客様へ迅速な見積もりと進捗チェクが可能になります。簡単な信頼できるアクセスを実現することができます。

— 詳細はお問い合わせ下さい!—

ATEXサービス:

Exマーキング認証 – 欧州連合(EU)で販売される製品には、ATEX指令に従って、弁別可能コミュニティマーク(16進数表示のEx)およびCEマーキングを付ける必要があります。JTLは認証される顧客がアクセスすることができるような専用アカウントを設けます。弊社の顧客専用アカウントから認証履歴、進捗、要求される書類通知、またATEX認証完了後の認証書と履歴を5年保管します。必要になった時SSLの専用メールにて再送送付可能です。

 2つのATEX指令があります:

1)機器製造者

 ATEX 95 機器 指令「94/9/EC: 機器および保護システム」は、潜在的爆発性雰囲気での使用が意図されています(2016年4月20日に2014/34/EUによって置き換えられました)。

2) その使用者を対象

 ATEX 137 職場 指令99/92/ECは、潜在的に爆発性雰囲気のリスクがある場所で働く労働者の安全および健康を改善するための最小限の要件です。

新しいATEX指令2014/34/EUは、2016年4月20日から有効になり、94/9/ECを置換します。以下の項目に関して製造者に影響があります。

 この新しいATEX指令2014/34/EUは、指令の第44条の規定に従って2016年4月20日から、製造者には新規および改訂される認証において必須の要件になります。この日付を過ぎた認証は、新しい指令およびその要件を遵守する必要があります。

すべてのEU型式試験証明書および適合証明書に対して、製造者は認証機関にリスク分析報告書を提出しなければならないという新しい要件が加わりました(2016年4月20日から)。

製造者は、2016年4月20日までに、自らが所有するEU適合性宣言が新しい指令2014/34/EUを参照するように更新する必要があります。

EEAへの輸入業者は、2016年4月20日から適用される、広範囲にわたる新要件(マーキングを含む)に注意する必要があります。

 ATEX装置の検証 – 装置検証サービスでは、EU内に設置して、潜在的爆発性雰囲気で使用する予定のカスタマイズした機器の認証を実施します。

ATEX品質監査 – ATEX指令では、Ex認定製品のコンプライアンスが持続していることを保証できるように品質保証のプロセスおよび手順を制定することを義務付けています。JTLでは、これらの監査を実施できる担当者を世界中に連携しております。

指令へのリンク: ATEX指令 2014:34:EU 

ガイダンスへのリンク: Guidance document on the ATEX transition_14-10-2015

 IECExシステムは、潜在的爆発性雰囲気に設置する機器の安全性のための国際的なシステムです。これはTC31技術委員会によって推進された60079シリーズの規格に基づいています。JTLは、IECEx認証機器およびサービス施設プログラムで承認された試験認証機関を提供し、その中から顧客に取って最適な機関にてIECExマークの使用を認可することができます。

 Exマーキング認証 – IECExシステムガイドラインに従って、お客様に該当する要件を特定し、技術ファイルの収集を支援することができます。

装置の検証 – 装置検証サービスでは、潜在的爆発性雰囲気で使用する予定のカスタマイズした機器の認証を実施します。

品質監査 – IECExシステムは、IECEx認定製品のコンプライアンスが持続していることを保証するために品質保証のプロセスおよび手順を制定することが義務つけられました。

防爆指令(ATEX/IECEx)は、石油化学プラント、鉱山、製粉所やオフショアプラットフォームで使用される装置や保護システムを対象となります。指令では、爆発性雰囲気で使用される以下の製品グループを定義します: 

•電気式および非電気式保護システム;
•電気式および非電気式安全装置;
•電気式および非電気式機器;
•電気式および非電気式部品;

また、製品について指令が適用されるには以下の3つの条件:
•通常の大気条件であること
•自身で点火するソース(火花や高温の部分)を保有していること
•爆発性雰囲気での使用を意図していること

●危険区域
IECEx / ATEX指令では、危険区域をゾーンに分類することで、可燃性ガスや蒸気が存在する爆発性雰囲気内に設置される電気機器に必要な保護レベルが確立されています(EN60079-10、IEC60079-10)。このアプローチが成功したため、粉塵に対してもこの方法が適用されました。1997年度版のIEC61241-3とEN1127-1は3つのゾーンへの分類を規定しています。
ゾーン分けには2つの目的があります。ガス、蒸気、ミストや粉塵に適した機器が使用されるカテゴリを定義すること、危険区域をゾーンに分類して発火源の発生を防ぎ、正しい電気機器や非電気機器の選定を可能にすることです。
 
電気機器には次のグループがあります。

ガスグループ
Group II : 爆発性坑内ガスの発生するおそれがある鉱山以外の爆発性ガス雰囲気のある場所で使用する電気機器
Group I : 爆発性坑内ガスの発生するおそれがある鉱山で使用する電気機器

グループ ゾーン カテゴリ
(ATEX 94/9/EC)
爆発性雰囲気の存在
Group II zone 0 1G 連続して、頻繁に、あるいは長期にわたり存在
zone 1 2G 通常運転時に断続的に存在(可能性がある)
zone 2 3G 時折、あるいは短期間しか存在しない
(通常運転時には存在しない)
Group I
(炭坑)
  M1 存在(メタン、粉塵)
M2 存在の恐れがある(メタン、粉塵)
粉塵グループ
Group III : 爆発性坑内ガスを発生するおそれがある鉱山以外の爆発性粉塵雰囲気のある場所で使用する電気機器
グループ ゾーン カテゴリ
(ATEX 94/9/EC)
爆発性雰囲気の存在
Group III zone 20 1D 連続して、頻繁に、あるいは長期にわたり存在
(可燃性粉塵のたちこめる雰囲気)
zone 21 2D 通常運転時に断続的に存在
zone 22 3D 時折、あるいは短期間に存在
また、新しくEPL(Equipment Protection Levels: 機器保護レベル)がマーキングに追加されることになりました。通常、機器保護レベルの効果は正常場所での機器保護レベルを保持するものです。しかしながら、リスクが特別深刻なものと判断されれば、必要な機器保護レベルは大きくなります。同様に、リスクが特別小さい、または無視できるレベルだと考えられれば、機器保護レベルを小さくすることができます。

下表は防爆タイプとゾーン/カテゴリの通常の関係を示したものです。

EPL 通常適用可能ゾーン カテゴリ(94/4/EC)
Ga 0 (1、2含む) 1G
Gb 1(2含む) 2G
Gc 2 3G
Da 20(21、22含む) 1D
Db 21(22含む) 2D
Dc 22 3D
Ma/Mb 鉱山 M1/M2
●エンクロージャ・コンポーネントの防爆タイプ
ガスによる爆発性雰囲気での着火を防止するためのさまざまな防爆方式を簡単に下表にまとめました。
防爆シンボル ゾーン 詳細
d 1, 2 耐圧防爆構造

潜在的点火源をもつ電気機器をそのまま防爆容器内部に閉じ込めたもの。

e 1, 2 安全増防爆構造

高い安全度を有する電気方式。

i  (ia, ib) ia: 0, 1, 2
ib: 1, 2
本質安全防爆構造

電気火花や温度が爆発性雰囲気に対して点火源とならない電気回路方式。

m 1, 2 樹脂充填防爆構造

電気機器をモールド内に封じ込めた特殊容器による防爆方式。

n 2 非点火防爆構造

火花やアークあるいは高温部が発生しないよう安全性を高めた構造。

o 1, 2 油入防爆構造

油中に完全に沈めた電気機器の方式。

p 1, 2 内圧防爆構造

電気機器容器内部を保護気体で加圧し爆発性雰囲気から隔離する方法。

q 1, 2 粉体充填防爆構造

電気機器容器内部を完全に砂状粉末で充填する方式。

粉塵による爆発性雰囲気での着火を防止するためのさまざまな防爆方式を簡単に下表にまとめました。
防爆シンボル ゾーン 詳細
tD 1, 2 粉塵筺体を利用し、最高表面温度を制限して可燃性粉塵が存在する場所での防爆性能を確立する方式。
mD

(maD, mbD)

maD: 0, 1, 2
mbD: 1, 2
mD保護タイプの封入と最高表面温度制限によって可燃性粉塵が存在する場所での防爆性能を確立する方式。
iD 0, 1, 2 可燃性粉塵が存在する場所での使用を意図した本質安全防爆電気機器。
●爆発グループへの分類と温度等級
上述のガス防爆タイプ”d”と”i”のについて、Group IIはさらにガスの爆発グループによってIIA、IIB、IICに分類されます。メタン(坑内爆発性ガス)に対応するのはGroup Iです。アセトン、酢酸、アンモニア、エタン、塩化メチレン、メタン、一酸化炭素、プロパン、n-ブタン、n-ブチル、n-ヘキサン、アセトアルデヒド、エチルエーテル、亜硝酸エチルにはGroup IIAが、エチレン、酸化エチル、硫化水素にはGroup IIBが、アセチレン、二硫化炭素、水素にはGroup IICの対応となります。

ガスによる爆発性雰囲気で使用する電気機器には温度等級のクラス分けが必要です。温度等級は機器の最高表面温度に基づいて設定されています。最高表面温度とは、周囲の爆発性雰囲気に着火する可能性の最悪の運転環境下で、電気機器の表面に部品が達する最高温度です。Group I では機器への炭塵の蓄積度合いによって、≦150℃か≦450℃と定められています。Group IIについては、温度等級の記載、あるいは表面温度の明示、または認定された特定の可燃ガスか粉塵に限定してその名称を記載することが求められます。

温度等級 最高表面温度(℃) 発火温度(℃)
T1 450 >450
T2 300 >300
T3 200 >200
T4 135 >135
T5 100 >100
T6 85 >85
粉塵防爆Group IIIはさらにIIIA(可燃性粉塵)、IIIB(伝導性のない粉塵)、IIIC(伝導性のある粉塵)に分類されます。
●マーキングについて
IECExによるマーキングはExマーキングを、ATEXによるマーキングは、ATEX指令マーキングとExマーキングの記載を求めています。いずれによるマーキングにも保護モードの記載が必要になりました。2010年4月より記載が開始され、2012年6月よりは必須項目となります。以下にATEXによるマーキングの例を示します。
(例)CE 0081  II 2G Ex d IIB Gb T6
CE:CE マーキング
0081:公認機関番号
:ATEX マーク
II:グループ(炭坑以外の地上産業)
2G:カテゴリ(zone 1、ガス)
Ex:防爆記号
d:防爆タイプ(耐圧防爆構造)
IIB:ガスグループ(エチレン、酸化エチル、硫化水素)
Gb:EPL(通常適用可能ゾーン 1)
T6:温度等級(最高表面温度 85℃)